2014年11月19日水曜日

薄っぺらい知識で高倉健さんを追悼。

○ 高倉健さん、悪性リンパ腫で死去 最期は「生ききった安らかな笑顔」
  俳優の高倉健さんがなくなって、今日は昼からそのニュースがずっと続いている。おそらく数日は訃報にまつわるニュースが続くだろうと思う。   自分というか、僕らの世代にとっての高倉健氏のイメージというのは、まず第一に「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい 丸大ハム」のあのCM。カナダの森林生活というか日本の奥深い山中の生活なのか判らないけれど、赤々と燃える炎に照り映える高倉健さんの15~30秒のCMで、男というか父親の生き様を見せ付けられる気がして、CMだけなのに「男らしさや自然の中で生きる厳しさってこんなものなのか」などと、燃えるよカッコいいと思うのが半分、畏怖するのが半分、だった記憶がある。ていうか、根本的にこのCM自体が、高倉健さんの男らしさそのものを圧倒的に表現していたのではないかって思うんだけど。   多くの人々が健さんと呼ぶ高倉健氏のイメージ。自分がなんとなくその人々の気持ちがわかるようになったのは、本当2~30代になってからだと思う。最近は午後のロードショーの「網走番外地」などを録画視聴とかしてたんだけど。   子供の頃の自分は結構理解しづらかったのは、やっぱり映画の多くにやくざとか犯罪とか前科者とか、そういう役が多かったからというのがある。子供にとってはやっぱりリアルな「殺人」というものは怖い(ライダーの怪人の人殺しとかより)から、やっぱり臆してしまうんだけど、でもドリフターズの8時だよ全員集合などで、志村けん氏などが高倉健氏らしき?やくざをカリカチュアした演技をしていたのを見ていると、やっぱり愛されているんだろうなぁとは思っていて、小学生の時「幸せの黄色いハンカチ」をテレビで見て、なんかイメージが変わってきたのだった。   その後の高倉氏の演じた役は7~80年代の日本映画の隆盛期そのものとマッチングしていて、子供心にもすごい作品ばかりだなと思う。「野性の証明」「南極物語」「八甲田山」や戦争映画、海外のブレードランナー監督リドリースコット&マイケルダグラスと組んだ「ブラックレイン」など、文字通り世界をまたにかけた活躍をしていた。考えてみれば「幸せの黄色いハンカチ」もアメリカの実話を元にしていて、ドキュメンタリー的作品にも多く出ていた。   恩師の成田亨氏も「新幹線大爆破」で特撮をしたことを、ずっと大切にしていたみたいで、 ことあるごとに「高倉健はいいのぉ!」と言っていた。客観的意見だが、成田氏の俳優観には高倉健氏が強くあったような気がする。   端的に言えば人間の真実を演ずるのが役者である、という事なはずだが、それは本当に本当に端的でしかなく、極めて重層的な年輪のように人格が深みを持つという人間の役者ならではの物があるわけで、それはアニメの主人公のようにシンプルで純粋な所からのアプローチだけではなく、だからこそ心を打つという物語は実写ならではだという事だ。(アニメでは純粋でシンプルだからこそ人の胸を打つ。違うんだけど、どちらが正しいという事ではないんだろう)   ・・・いや、高倉健氏の生き方も純粋でシンプルなものだったと思う。深みがありながらも。素朴で朴訥でシンプルで激しく、やさしい。   最近の枯れた雰囲気の男の演技も良かった。・・・高倉健氏って、本当に「耐える男」や「偏見の対象になりつつ強さを持つ男」、「鋼鉄のような精神力の男」「しかしやはり弱さを持つ男」「黙々と日々の仕事を誠実に続ける一労働者」など、ドキュメント的に分厚い人格の男性たちを演じていて、 それら全てが常に「演じるという困難への挑戦」だったのではないかと思う。そんな強い人が穏やかな「あなたへ」のような作品を最後に、勲章をもらって、深いやさしさの境地に至って、安らかに亡くなったことは、本当に祝福だと思います。 (2014_11/19 0:23-39

0 件のコメント:

コメントを投稿